青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

利他の心について(2019/9号)

今回(2019/9)のテーマは、利他の心についてです。

利他の心は相手に対する感謝の気持ちを忘れないことであり、それはサービス業のホスピタリティーと通じます。

利他の心をもって、お客様との一期一会の出会いに思いを尽くすことが大切ではないでしょうか。

 

利他と利己

皆さん「利他の心」という言葉を知っていますか。

反対語は「利己の心」です。

「自分だけが良ければよい」という思いのことで、「利他の心」はその逆に「人に良かれ、他人を助けようという気持ち」のことです。

 

利他の心を持って仕事にあたるということは、自分だけでなく、周りの人のことを考えて、やさしさ、思いやりを持ち、謙虚に仕事にあたる、ということです。

なんだ、人のことばかり考えていたら、儲けられるものも儲からなくなる、という考えもあると思います。確かに短絡的にはその通りです。

ただ、長い目でみると、いずれは利他の心を持った行動は何らかの形で自分に返ってくる、ものだと私は思います。

 

逆も、またしかりです。

利己の心を持った行動は、いずれ行き詰まるものではないかと思っております。

例えば、最近話題のあおり運転ですが、こういう人は利己の心で運転されているのでしょうが、どんなに早く先に行っても、狭い日本では所詮行き着く先は海?なのでは。むしろ、利他の心でゆったり運転した方が、結果的にドライブを楽しめると思うのですが。・・・

 

サービスとは

さて、我々はサービス業です。

サービス業とは、人の欲求に応えることを生業としている業種で、形のないものを商品とし、それは一期一会で即時性のものです。

「サービス」というものを商品として提供し、お客様からお代を頂いておりますが、日本語で「サービス」という時、「なんかサービスしてよ?」とか「サービスしておきます!」みたいな、立場に上下関係があって、無償で物や行為を提供したり受けたりするもの、というイメージがありませんか。

本来サービスというものは、決して下の立場から上の立場にへりくだって行うものではなく、サービスを通して我々とお客様とが対等な立場で信頼関係を構築するものだと思います。

信頼関係が構築できれば、お客様からは些細なことにも感動して満足して頂けます。

 

ホスピタリティー

ただ今の時代では、「サービス」という言葉は「ホスピタリティー」と読み替えた方がぴったりくるかもしれません。

「ホスピタリティー」というと、2020東京オリンピック招致時に「おもてなし」ということばで代表されてしまっていますが、お客様を喜ばすためには、おもてなしという心遣いを用いることも一つの方法ですが、別に専門的知識を駆使することで喜んで頂くことや、先読みした行動等様々な方法がありますので、「ホスピタリティー イコール おもてなし」だけではありません。

 

ホスピタリティーには、予め約束されたルールや方法はありません。

一期一会のケースバイケースです。

我々は、ホスピタリティーをもってお客様と信頼を構築します。

お客様に喜んでいただければ、我々の施設に良い印象を持って頂き、リピーターになって、良い口コミをしてくれ、最後にはロイヤルティ(忠誠心)を持ったファンになっていただけます。

そういう風にお客様の満足度が上がっていけば、最終的には当社の業績にも貢献することになります。・・・

 

利他の心とホスピタリティー

ということで、利他の心とは、相手に対する感謝の気持ちを忘れないことであり、思いやりを持つということですから、ホスピタリティーとはまさに利他の心を持って行うものなんだ、と思います。

お客様にはいろいろな方がいらっしゃっいますので、正直言って話易かったり話憎かったりあります。しかし、我々はサービスを「業」として行っておりプロでありますから、お客様を分け隔てしてはいけません。予断を持たず、ホスピタリティーをもって自分にできることをして差し上げることが肝要です。

 



お客様とホスピタリティー

ただし、「お客様だから何でも有り」ではなく、通常の社会人としての常識、はたまた人間として当然に正しいこと、を判断基準として、ダメなものはダメ、ムリはムリ、という毅然とした対応も必要になることはあります。

 

ただそこに至るまでには、もう一段のホスピタリティーを持って、上手に話を逸らしたり、相手に気が付かせたりといった、別の配慮もまた必要ではないかと思います。

以前流行った「お客様は神様です」という言葉は比喩であり、相手は実際には同じ人間です。とはいえ、わがままであっても(額の多寡は別として)何らかのお代を頂くお客様ですから、何とか楽しんで満足頂けるよう、我々が諦めずに努力することもまた大事だと思います。

 

管理部門もホスピタリティー

 ということで、今月は「利他の心」にふれましたが、これは各事業所の営業の第一線の皆さんだけではなく、バックヤード部門の皆さんにもインナーサービスとして、第一線の皆さんに対してホスピタリティーを発揮していって頂きたいと願っております。