青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

一礼をしませんか(2020/10号)

今月のお話は「一礼をしませんか」です。以前にもお話をしましたように、サービスとはおもてなしであり、相手を思いやり感謝する心です。

私は、その形の表れの一つが「一礼」ではないかと思っております。

私は、当社の皆さん全員に、仕事場への出入りの時必ず一礼をして頂きたい、と考えております。皆さんが事務所から出る時や事務所に戻る時、お客様に向って一旦立ち止まり、感謝を込めてお客様に一礼をしてから出入りして頂きたいのです。(そこに実際にお客様がいらっしゃるかどうかは関係ありません)

お客様への感謝

今回のコロナ禍でよくよく身に沁みましたが、お客様にご利用頂けなければ私達は食べていけない、ことが改めて自明の理となりました、ですから「おいで頂きましてありがとうございます」という気持ちが、自然に沸いてきませんか ?

仕事場に出る時に一礼するということは、私達にとって神聖な場所である仕事場に出るために自分の気を引き締める、ということだと思います。お客様と向かい合うための気持ちの切り替えであり、気合の注入です。会社からすれば、一礼することは、従業員の働く場に対する姿勢や心意気を、暗黙の裡にお客様に示すことになります。

片や一礼しないことは、私達がお客様に対して感謝している気持ちを、具体的な態度で示すことができないため、お客様にその気持ちをご理解頂くことができません。

ハレとケの切り替え

ハレの場である仕事場に上がる時、プライベートなケの場に下がる時、気持ちが切り替わらないまま出入りすることになります。それはきっとお客様にも分かってしまい、境目のないままの執務態度では、真剣勝負であるはずの本来のサービスをご提供することができないと思います。また、そういう従業員が多い会社は、節度のない会社とみられ、当然にサービスレベルも低いと判断され、お客様はそんな会社を可愛がろうと思いませんので、収益拡大など望むべくもありません、ジリ貧になりますよね。

礼儀としての一礼

古来より、日本では神社や仏閣に上がる時、また神仏や格上の方の前に出る時に、私達は当然に一礼しております。さらに、道場や調理場に出入りする時や、事を始める前と後には、神聖な場や行為に対する礼儀として一礼します。さらに皆さんは、面接の時には一礼をしますよね。では、顔見知りでもない方との面接の場には一礼するけど、今まさにご利用頂いているお客様のいらっしゃる場に対しては一礼しない?

それはなぜですか。 釣った魚には餌をあげない? ってことですか。

そんな失礼なことはありませんよね。それとも、自分には関係のないからですか。

そんなこともないですよね。・・・

ホスピタリティの重要性

皆さんはまさに当事者であり、一人一人がいやがおうにも会社を代表しています。

「最上質の時間を提供し続ける企業へ」の実現のため、お客様に感動、喜び、癒しをご提供するために必要なのは、ホスピタリティです。

殺伐として事務的で冷たい非友好的な雰囲気の漂う会社では、誰もホスピタリティを感じることはできません。お客様は見ていないようで何気なくちゃんと見ていらっしゃいます。そんな時、「あー疲れた、だりー」といった顔で事務所から出入りする皆さんを見て、とても残念な気持ちにならないでしょうか。百年の恋もいっぺんに覚めるような気持ちになりませんか。皆さんも遊びに行った時、清々と立ち止まって一礼するところを見たら暖かい気持ちになり、ここだったらまた来たい、と思いませんか。

一礼に上下なし

 役職や年齢、働き方、働いている場所、働いている業務など関係ありません。

当社の従業員1700名全員に、お客様に感謝し、一礼して頂きたい。

なぜなら、皆さんを食べさせているのは会社ではなくてお客様なのですから。

そのことを、コロナをきっかけにもう一度思い直して頂けると幸いです。

コロナ禍という災いを転じて福としたいですね。