青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

生活を楽しむ(2023/7号)

今月は「生活を楽しむ」というお題で弊職の愚考をお送りします。

華々しい目標を達成することだけが人生の成功ではありません。過去は変えられませんし、未来はどうなるかわかりません。日々の生活に正面から向き合い、今を大切にして「日々是好日」と生きることが、十分に楽しい人生といえるのではないでしょうか。

生活と人生

一般に生活とか人生とか聞くと、「生活」の方は何か地味で、ともすれば生計をやりくりするとか、見過ぎ世過ぎとか、後ろ向きなイメージがあります。一方「人生」というと人の生き様という感じで、生活より前向きなように感じられます。私たちの毎日は、仕事に行ってご飯を食べてと、日々をアタフタとこなすのに精一杯で、人生云々どころではないかもしれません。とはいえ、本来人間にはきちんきちんと三度のご飯を食べて、清潔にして、暖かな布団で寝て、しっかりと仕事をして思いっきり遊ぶ、というメリハリある生活が大切です。では、生活と人生は別物なのでしょうか。

人生の成功とは

人間誰しも人生に失敗したくない、成功したいと考えていると思います。ただ極端な話、生活を犠牲にしてまでも、成功する人生などあるのでしょうか。そもそも人生の成功とは何なのでしょうか。確かに自ら高い目標を設定して、艱難(かんなん)辛苦(しんく)し、玉を磨き、自らの人間的な成長を成し遂げることは人生の大きな目標たる到達点です。ただ、そういう誰が見ても素晴らしいと言える結果が無いと、人生に成功したと言えないのでしょうか。

人生の目標

私たちは、全員が高い目標を持っている訳ではなく、むしろ「目標なんかないなあ」という人の方が多いのではないでしょうか。では、その方たちは人生に成功できないのでしょうか。そんなことはありません。成功云々は、稼いだお金の多寡ではなく、周りや世間の評価や評判でもなく、当人がどう感じるかだけだと思います。決して大それたことを成し遂げた訳でもなくとも、日々の生活が自分にとって十分満足なものなら、それは素晴らしい人生なのではないでしょうか。

生活を犠牲にする人生

元より仕事も生活の一部であり、生活の中にはご飯を食べたり、服を着たり、寝たり、遊んだりするあらゆることが含まれます。私は、ある時期それらの生活のすべてを犠牲にし、全てを捧げて何かを成し遂げようとすることを否定するものでは決してありません。それは、人間の成長に欠かせない一時期であり一部分だからです。

日々に向き合う

ただ、それが全てになってしまってはいけないのではないか、とも思います。美味しいごはんをきちんと食べて、清潔にして、暖かい布団に寝て、という生活を決して軽んじてはいけません。日々の出来事ひとつひとつにきちんと正面から向き合い、濃密に積み重ねていくことは決してつまらない人生などではなく、それらを自分の腹の中に落とし込めるならば、充実した人生といって良いのだと思います。日々の生活の積み重ねが精神的な満足と安定をもたらし、それは結果的に良い仕事に結びつきます。そして、良い仕事をすることが生活の張りとして還元される、という好循環が生まれます。つまり、人生と生活は別物ではなく、日々の生活そのものがあなたの人生なのです。ですから、毎日の生活をないがしろにせず、生活上に起こる様々な雑事を後回しにせずにその都度向き合って、むしろ突発事態までを楽しんでしまいませんか。

過去はなかったことにはできない

 日々積み重ねた生活の履歴が人生となる訳ですが、その過去は取り消すことはできません。ある時点から人生をやり直すことはできても、過去を無かったことにはできません。過去を後悔し悩んでも取り戻しようがありません。それはどうしようもないことで、いつまでどんなに悩やもうが詮無きことなのです。あきらめましょう。

未来はわからない

では、未来はどうでしょう。将来素晴らしい人生を送りたい、とは誰もが思うことです。ですが、日々の積み重ねの結果が将来になるのですから、いくらああなれば、こうなれば、と望んでもそれは空想でしかありません。ですから、未来に対しても今から起こってもいない事をあれこれ悩んでも、過去と同じように何も解決しません。希望を持つことは大切ですが、いたずらに心配しても無駄です。

今を大切にして楽しむ

それよりも今現在が大事です。今日の生活を大事に生きなければ、素晴らしい明日はやってきません。明日になって昨日は良かったと感じたいのなら、今日をきちんと生活する。その積み重ねが、ある時ふと振り返った時に「自分はちゃんと生きている」という実感につながるのだと思います。決して今から逃げずに向きあい、そして楽しみましょう。たとえ高い目標に艱難辛苦していたとしても、「日々是好日」と毎日をありのままに受け入れ、その生活を楽しむ余裕と心構えが大切なのだろうな、と思うところです。