青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

報連相は基本のキ(2023/4号)

今月は「報連相は基本のキ」というお題でお送りします。

報連相とは、報告、連絡、相談のことですが、組織がチームプレイで動くために欠かせないコミュニケーションです。自分勝手な判断で報告をさぼったり、最後まで聞かなかったり、一方的な連絡だったり、タイムリーな状況報告もない相談だったりすると、組織は徐々に硬直化していき、死に体になってしまいます。

報連相とは

過去にも二度同じ様なお題をお送りしましたが、今回新しい方も含め皆さんともう一度考えたいと思い、お送りさせて頂きます。

ご存じの通り、「報連相」とは「報告、連絡、相談」の略語で、社会人の「基本中のキ」と言われております。しかしながら、何年社会人をやっていても、未だにその基本のキができていない方もおります。そういう方は、社会生活での報連相の重要性と恐ろしさを教わっていないか、まだ理解できていないのかもしれません。

報連相が大事な理由

では、報連相が社会人として大事なのはなぜなのでしょうか。新しい皆さんは、社会に出て会社という組織に入りました。組織ではチームプレイであり、チームでは決して一人で仕事を行いません。実際一人だけで仕事しているように思うかもしれませんが、それは驕り(おごり)です。海中に浮かぶ氷山を水面から上だけ見て、目に見えていない水面下に皆さんを支えている仲間や業者さんなど数多くの方々がいることを忘れてはなりません。一人でなくチームで仕事をするからこそ、報連相というものが必要不可欠なのです。

情報共有の大事さ

組織にはいろいろな考えを持った個人がおりますので、組織が成長し続けるためには、未然に過ちを防ぐリスク管理が大事です。いざ事が起こった時に、個人がバラバラに自分だけの判断で「たぶん大丈夫だろう、面倒だし」と、勝手にたかをくくって黙っていたら、あっという間にとんでもないことになります。「いやいや、そんなつもりはなかった」とよく皆さん言われますが、それこそ後の祭りです。そして、リスク管理は事態が大きくなる前の初動が肝心です。その事態が緊急性のあることなのか重大なことなのか、情報が届かなければいくら経験があっても分かりません。速やかにタイムリーで正確な情報が共有されることが肝要です。急ぎの報告に個人の考えや感想、推察は要りません。掛値なしの事実だけで良いのです。

「どうして、何で」は、あとから

逆に上司が最もやってはいけないのは、報告を最後まで聞かず、「なんで?どうして?」と聞いてしまうことです。事実の報告に個人の予断を求めないことです。「それでどうするの?」とまで聞けば、それは「報告」ではなくで「相談」や「指導」です。急ぎの一報に対応策まで問われると、まるで君が悪いと詰められているようで、報告そのものが面倒で嫌になります。「何でも報告して」と言いながら、報告をしないように仕向けているようなものです。

報告ルールを決める

「いつも忙しそうな上司、とっつきにくい上司」という方がおります。まるで、自ら「報告はいらないよ」オーラを全開で出しているようなものです。そうした方は、まず自分自身の気付きと変えようとする努力が必要ですが、チーム内の報告ルールを先に決めておいてはいかかでしょうか。声を掛けられたら必ず一分間作業の手を止め、顔を上げ、目を見るルールとか、紙のメモの差し入れでもOKとか、LINE等のSNS報告も可とか、いろいろな方法が決められていれば報告しやすくなります。

なんかヤバい、という嗅覚を磨く

また、部下はどこまで報告しなければならないのか迷っています。上司も何でもかんでも報告されると自分の仕事ができなくなります。報告する前に「これは必要ですか」といちいち聞きたくなるかもしれません。まずは最低限、「悪いことは片っ端から全て報告」と考えませんか。直接関係ないけど、何か良くないかも、少し変、しっくりこない…と思ったら迷わず報告です。大事かどうかは、報告された上司が判断する役割を担っています。上司は保留せずに重要性を判断し、共有先を拡げましょう。社会人は、その「まずいかも」に対する感度や感性、嗅覚がとても大切です!

状況報告と相談

そして、もう一つ「状況の報告」です。頼んだ仕事が今どうなっているのか、いつ終わるのか、頼んだ方はヤキモキしているはず、と想像力を働かせてください。それが相手に対する思いやりです。「音無しの構え」より「着手しました、ここまでできました、もうすぐ終わります」と報告して欲しくありませんか。ただし、状況報告には事実報告だけではなく、今後の見通しなど自分の意見や考えを持った上で、それを相手に伝える「相談」も必要不可欠、ということは忘れないようにお願いします。

連絡は相互通行で

最後に「連絡」です。情報を正確に伝え合う他に、上司が部下に報告するという「連絡」はとても大事です。部下からすれば上司への報告が一方通行だと、ブラックホールを相手にしているようです。上司からタイムリーに情報が共有されることで部下の感度は高まり、必要な情報が的確にやり取りできるようになっていきます。

情報が一方通行の組織は自由闊達な議論が無くなり、次第に硬直化し、最後には衰退していってしまう、という恐ろしい職場を皆さん想像してみて下さい。

報連相次第で会社は変わる

報連相」次第で組織は活性化もしますし、おかしくもなります。だから、「報連相は社会人の基本のキ」なのです。さあ、これから皆さんはどう報連相をしますか。