青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

言いたいことが言えるということ(2022/1号)

今月は「言いたいことが言えるということ」について、お話をさせて頂きます。

「言いたいことがあれば言ってくれ」と言われても、「どうせ言ってもしょうがない」と諦められないような、心理的安全性の高い職場環境作りが大事です。社内でコミュニケーションを望むなら、対等なコミュニケーションができる環境を作りましょう。

言葉にしなければわからない

私たちは、よく部下や同僚に対して「言いたいことがあったら何でも言ってくれ」と頼みします。言葉にして具体的に意思を表示してくれなければ、相手が何をしたいのか、望みなのかわからないからです。しかしながら、往々にして言いたいことがある方ほど何も言ってくれません。最後の最後にようやく口を開いてくれた時には、時すでに遅く最後通牒になっていることも間々あります。もっと早く相談してくれれば一緒に考えることができたのに、と悔やむことも多いのではないでしょうか。どうして、言いたいことがいっぱいあるのに言っていただけないのでしょうか。・・・

どうせ言ってもしようがない

考えてみると、それは聞きたい側の勝手な望みでしかなく、言ってくれれば対応しやすくなる、と自分の都合や理屈を優先しているだけなのかもしれません。

逆に、言いたい側からすると「どうせ言ってもしようがない、後が怖い、嫌われたくない、弱みを見せたくない、相手が信用できない、自分さえ我慢すればよい」等々の理由で言わないのではないでしょうか。そこには、とても高いコミュニケーションの壁があります。言ってもらいたい側からすると、しょせん人間は一人では生きていけないのだからコミュニケーションする勇気を持とうよ、一歩踏み出そうよ、と呼びかけたくなります。それでもなお、その高い壁は乗り越えられないことがあります。

職場の心理的安全性

 それはなぜなのでしょうか。ひょっとすると、固い言い方でいうと職場の「心理的安全性」というものが影響しているのではないでしょうか。心理的安全性の高い職場とは、上司・同僚の隔てなくありまま自分の意見を言え、それにより関係が損ねることがないという安心感を共有している状態、と言われています。逆に、低い職場は社員間に信頼がありませんので、自分を守るためにも余計なことはせずに意見も言いません。そうなると負の連鎖が始まります。最後には、最低限必要な報連相すらしなくなり、組織としての体を成さなくなります。

心理的安全性の高い職場

私たちが目指したいのは、個人と個人の間の信頼だけでなく、集団組織と個人の信頼=心理的安全性が高い状態の組織です。ただこれは、ぬるま湯のようなフワッと心地よい職場環境を指しているものではありません。それでは、単に優しいだけの競争も成長もない人たちの集団になってしまいます。私たちが企業として生き残っていくためには、高い共通目標の下で飽くことなくお客様満足度の向上を目指し、誰もが建設的に本音で言いたいことが言え、後腐れの無い健全な衝突を繰り返し、皆で切磋琢磨し合うことが普段から当たり前である環境を創造することが肝要です。心理的安全性が高くなれば、言いたい側はあれこれ言われなくとも、自ら言ってくれるようになるのではないでしょうか。

対等なコミュニケーションのために

私たちは相手とコミュニケーションしようと望むなら、自らをして対等なコミュニケーションできる環境を整えることが大事だ、ということです。

「どうせ、しょせん・・・」と言われないような職場環境が築ければ、皆さん個人の人間的成長も促すことができるようになるのではないでしょうか。

私もこれまで、自分勝手な理屈や思い込みだけで判断してしまい、そういった環境作りをしてこなかった自分を猛省し、今年からまた次の一歩を踏み出したいと思います。