青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

アサーション(2021/4号)

気持ちの良いコミュニケーション

先日ある事業所を訪問致しましたが、その際お仕事中の方に「いつも読んでますよ」と一言お声をかけて頂きました。人間いくつになっても、自分の行為が認められるのは嬉しいものです。本来コミュニケーションとは、どう伝えるか、そしてそれをどう聞くか、です。ちょっとした一言をかける、そしてそれを受け取るという言葉のキャッチボールは、人間関係を彩りのあるものにします。新入りも古参も関係なく気持ちの良いコミュニケーションができることは、職場の環境が変わり、風通しも良くなります。

アサーションとは

そこで、今回はアサーションというコミュニケーションの方法について書かせて頂きます。「assertion」という単語はあまり聞き慣れませんが、本来は自己主張という意味です。ただ、ここで説明するのは、しっかり自己主張はしつつも相手も傷つけないという絶妙なコミュニケーションの方法です。価値観や立場の違う様々な方たちと、上下のわけ隔てなく対等に意見を交換し、きちんと自己主張ができる、ということはとても大事だと思います。どうしても自分の意見を伝えたい、わかってもらいたい、と力めば力むほど、相手は一歩引きますし、結局何を言おうとしているのかわかってもらえません。ですから、アサーションという緩やかな自己主張のやり方を覚えておくことは、いずれ何かのお役に立つと思います。

五つのポイント

 一般に、アサーションには五つのポイントがあります。 これは、相手に自分の考えを分かってもらうための、話し方の段取りだと思って下さい。

主語を自分に

一つ目は、話の主語を「自分」に変えることです。仮に相手のことを言う場合でも、主語を「あなたは」にしてしまうと、どうしても攻撃的な物言いになってしまいます。そうではなく「私は」と自分からの話の言い方にします。

客観的に

二つ目は、客観的に事実を伝えることです、下手な装飾や誇大広告は無しです。

正直に

三つ目は、自分の正直な気持ちを伝えることです。とても困っています、大変助かります、残念な気持ちでいます等々。

お願いします

四つ目は、「お願いします」という表現方法を使います。「しなさい、すべきだ」の命令や支配的主張ではなく、「して欲しい」という言い方であれば、相手にも妥協する余地ができます。

肯定的に

五つ目は、「肯定的な言葉」で話をします。「できない、無理だ、ダメだ」という否定的な言葉で話が終わらず、前向きな善処策が提案されれば、相手も受け入れ易くなるのではないでしょうか。なんだ、相手に阿って(おもねって)ばかりじゃないかと思われるかもしれませんが、大事なのは、角を立てないがために相手に妥協して曖昧模糊な話をしてはダメ、と言うことです。人間関係を大事にしつつも自己主張はきちんとしましょう、というのがアサーションの主旨です。

例えば

  • 『あなたは、業務がいつもとても遅く課の全員が迷惑している、いろいろな業務に多大な支障が出ている、これではとても無理だ、どうにもならん。』
  • 『わたしは、あなたの業務が早いと助かるが、提出が二日遅れた事実に対し私もどうしたら良いのかとても困っている、●というやり方だと間に合うので、大変だろうがそう変えてもらってはどうか、宜しく頼みたい。』

どうでしょうか、言われた人の気持ちになったらどちらに聞く耳を持ちますか。結局、これも利他の心なのかもしれません。言われた時に相手がどう思うかではないかと思います…。さて、今回も私の愚考は皆さんに伝わりましたでしょうか。