青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

伝えるということ(2021/3号)

今月の当職の愚考ですが、今年(2021)一月の「言葉の力」の時に少し書きました「伝える」ということについて、再び書かせて頂きます。

相手に物事を伝えるにはその目的を明確にし、結論から簡潔に話をすることです。

それから相手を尊重しつつ根拠を明示することです。最後には、伝えたいという熱量が大事であることは言うまでもありません。

伝えれば伝わるのか

あの時、『「伝える」と「伝わる」は違いますよ』と書きました。

ひょっとして皆さんの多くの方は、「自分が伝えたいことを話せば、それがそのまま相手に伝わっている」と考えていらっしゃるのではないでしょうか。

一説によれば、人は他人の話の80%を聞いていない、と言われております。…

伝わったかどうかは、話した自分ではなく、話された相手つまりは聞き手が決めることなのです。 そこには大きなギャップがあります。

伝える目的を明確にする

そもそも皆さんは、話す目的、つまり「伝えた」結果として皆さんはどうしたいのかを、考えたことはありますか。話す目的を明確にすることは大事です。

それは、単に聞いてもらえば良いだけの話なのか、或いは自分に賛同してもらいたい話なのか、その結果相手に動いてもらうことまでが必要な話なのか、つまり何をゴールとして話をしようとしているのか。それによって、話し方と話の重みは異なってきます。「伝える」ということは、自分の思いを相手に伝え理解してもらい、最後の最後には相手に動いてもらうことだと思います。意図や目的がちゃんと伝われば、少なくとも相手は動くかどうかのスタートラインに立ってくれます。でも、話が伝わらなくては元も子もありません。

伝えるには

 では、どうお話をすれば、相手が動いてみようとなるまでに、こちらの意図や目的を「伝える」ことができるのでしょうか。

簡単なことです。最初に結論を明確にして簡潔に話すこと、そして伝える言葉は無駄な修飾語を省いて、中学生がわかるような簡単な言い回しで話すこと。

結論の後に、その根拠を簡潔に述べること。あいまいな根拠では、相手の腹には落ちません。それもできれば一つだけでなく、三つ並べるとぐっと説得力が増します。根拠の設定には、相手の気持ちに立った、相手を尊重する姿勢が大事です。自分勝手な論理の唯我独尊な根拠では、「ふーん」で終わってしまいます。

そして最後に、その根拠の裏付けについて、相手が具体的にイメージがしやすいような内容で伝えます。なぜ、そのような根拠なのか、具体的な自分の経験談などを交えると、相手の記憶にも残り易いのではないでしょうか。

相手に伝わらない人

こういう風に短く話すると何だか淡々としてビジネスライクのようだ、と感じられるかもしれませんが、逆に相手に動こうという気にさせない人というのは、次のような話の長い人ではありませんか。

四方山話が長くて何を話そうとしているのか不明、自分がこれまでにいかに頑張ったかの過程を延々と話す、「基本的には」とか「えー」とか無駄な修飾語が多い、周りに気を使い過ぎてしまいその人自身の考えがみえない、相手にへり下るつもりで自分の意見にも関わらずいちいち言い訳を入れる、話の流れに関係ないようなエピソードを入れる、漸く最後に結論になってもその真意は何重ものオブラートに包まれておりよくわからない。… 

これは極端なのかもしれませんが、皆さんはどちらの話し方が腹に落ちますか。

聞く側にわかりやすいのは

やはり、短く簡潔な結論と三つの具体的な根拠、そしてイメージしやすい裏付けを淡々と話してもらうことが、聞く側には分かり易いのです。挨拶以外の四方山話などは、肝心な話の後にすればゆっくりすれば宜しいのではないしょうか。

ただ、これだけは外してはいけない大事な点は、話す側の熱意や熱量の高さではないでしょうか。何よりそれが全てのコミュニケーションの基本だと思いますので。

伝わっていますか

 さて実は、こうやって毎月皆さんに思いを伝えようとしている私自身が、皆さんにとって反面教師なのです。浅学な私にとって、この簡単なようで実は意外と難しい「伝えたいこと」がきちんと「伝わること」ことが永遠のテーマです。…

ということで、今回は「伝える」ということについてお話を書きましたが、少しは私の考えが皆さんに伝わりましたでしょうか。