青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

それは私の仕事ではない(2021/9号)

今回は「それは私の仕事ではない」ということについて考えたいと思います。

担当する業務を自らで線引きし決めつけて、さらに属人化してしまうことは、当人にとっても会社にとっても不幸なことです。すべての仕事はみんなの仕事である、という意識で働きたいですね。

自分で担当業務を決めつける人

最近皆さんのお仕事をみていると、まれにご自分の業務範囲について自分で任意の線を引き、それをテリトリーとし、ここまでが自分の業務、あとは他者の業務、と決められている方がいらっしゃいます。担当と決めた業務以外がひっ迫しても、見て見ぬ振り、パススルーをされています。人の仕事を手伝っても給与が増える訳ではないから、でしょうか。

メンバーシップ型雇用とは

最近はやりの言葉にジョブ型雇用という言葉がありますが、これは担当する仕事の内容を始めから明確に文章にして企業と社員が握り合うという雇用形態です。当社では一部の方以外は、雇用に際してどこの部門でどこの場所で何の業務をお願いする、ということは大まかにお話していますが、基本はメンバーシップ型雇用という、まず「人」ありきで、その後に業務を覚えてもらう、という雇用形態です。ですから、本来当社の皆さんは社内で起こっている全てのことに無関係ではないのです。現在決められている担当というものは、あくまで当社での業務の基本領域であり、その他のことはしなくても良いですよ、となっている訳ではありません。当然、専門的スキルの必要な業務も多々ありますので、なんでもかんでもという訳ではありませんが。

他人の業務を手伝うことは

他の人の担当業務を手伝うことは、自分のスキルが深まり幅も広くなるというメリットがありますし、それがきっかけに人間関係の幅が拡がり、将来逆になんらかの援助を受けることもあり得ます。自ら線引きをして入り口を閉ざし、コミュニケーションの幅を狭めてしまっていないでしょうか。確かに、何でもかんでも手や口を出してしまい、担当業務ですら疎かになってしまったり、残業時間が増えてしまうのは本末転倒ですが、そもそも見て見ぬ振りをすることには、ご自分の担当に余裕がないことも関係しているのかもしれません。

チーム内のコミュニケーション

ただ、少なくとも同じチーム、同じ事業所の中で、実際に手を貸さないにしても、少なくとも情報を共有しコミュニケーションをとることはそれほどの手間でしょうか、言葉も交わせない程忙しいのでしょうか。また、見て見ぬ振りには、組織の人事評価の問題もあるのかもしれません。担当業務でないことに下手に手を出して、上手くいかなかった場合でも減点となってしまうのであれば、誰も余計なことをしようとしなくなります。ですから、そこにはチームのリーダーの役目が大事です。チームの中でそういう事がし易い仕組み作り、環境作りです。例えば、「長」とつく方は慣習的にダラダラ続けている不必要な会議を無くすことができ、チームが本当に必要なコミュニケーションを図る時間を作ることができます。

業務の属人化

また一方で、ある業務を自分にだけ属人化し、自分にしかできないテリトリーを作ることで、ポジションを取ろうとされる方がいらっしゃいますが、組織は思っている以上に個々人を見ていますし、業務を囲い込むより積極的にコミュニケーションを取ろうとする方のほうが評価は高いのです。ある業務の専門性を高める、極めることはとても大事なことですが、それと囲い込むことは別です。囲い込んだ業務以外はパススルーしても良い、というルールは当社にはありません。

それはみんなの仕事です

当社は、皆さん全員と一緒にこの会社を高めていこうと考え、そういう方に当社の一員となって頂いています。そして、そのために一人一人にできることは、小さなことから大きなことまで無尽蔵にあります。みんなで「それは私の仕事ではない」ではなく、「それはみんなの仕事です」にしていきませんか。