青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

あかんからではあかん(2023/1号)

今回は、「あかんからではあかん」という関西風のお題で愚論を述べさせて頂きたいと思います。

サッカーのPK戦のキッカーたちが立候補する勇気をたたえましょう。仕事でも、手を挙げる人が挙げやすいよう、間口を開けておきましょう。はなからあかんからではあかんのです。また、私たちもそんなチャンスがあったら手を挙げてみましょう。何事も諦めたらそこで終わりですから。

PK戦の戦い方

サッカーワールドカップは、アルゼンチンがPK戦で優勝を決める等、PK戦決着の目立つ大会となりました。森安監督率いる日本もあと一歩でベスト8というところまで上り詰め、サッカーファンならずとも熱くさせて頂きました。ベスト8をかけたクロアチアとの一戦は延長戦でも決着がつかず、とうとうPK戦となりました。だれがPKを蹴るのかについては、チームによって決め方が異なります。日本は森安監督の方針で立候補制でしたが、残念ながら立候補した選手がゴールを決めることはできませんでした。立候補制ではなく、監督が指名することで個人の責任を免れる方法もあります。外しても指名した監督の責任、と言うことができるからです。

手を挙げた人の勇気

敗戦後、しばし国内では立候補制の是非について意見が飛び交いました。私自身は、立候補すること自体、物凄い勇気がいる行動だと評価します。無の状態から有の声を上げるということは、本当に大変です。勇気を振り絞って手を挙げた者に対して、周りから「大丈夫か、本当にできるのか」と責めたて、さらに結果に対しても個人に責めを負わせるのでしょうか。覚悟を持って上げた声に対して、同じチームの中から第三者的評論家のような物言いとはどんなものでしょうか。実際、指名されようが立候補しようが、どちらであってもいい加減にやる人などおらず、外せば結果は同じです。

はなからあかんと道を閉じない

私たちは、普段の業務の中で、部署内で立候補を求めたり意見を求めたりすることがよくあります。そんな時、立候補や意見を述べた人に対して、否定から入るのか肯定から入るのか。人間は同じことを言っているつもりでも、言い方ひとつで他人には聞こえ方が大きく異なります。「それはだめ、だけど〇なら良いよ」と言われるのと、「それは良いね、だけど〇はどうする」と言われるのとでは、どちらが前向きになれるでしょうか。受け手側は、まず声を上げた人、手を挙げた人に感謝しましょう、勇気を振り絞ってくれたことに対して。確かに、何でもかんでも取り敢えず手を挙げておけ、口を出しておけ、という方もいますが、そうであってもまずは声を出してくれたことに感謝しましょう。言い出しっぺがおらず誰からも手が挙がらなければ、何も前に進みません。仮に上げられた声に「ん?」と感じたとしても頭から否定せず、まず一旦その思いを受け止めてみませんか。はなから「あかん」と言ってしまってはあかんのです、「あかん」からではなくて、入り口を開けておきましょう。

きちんと説明する

ただ、だからといって受け取る側がすべてをそのまま受け入れなければならない、ということではありません。手を挙げた方と一緒に、実現に向け問題点を洗い出し、対処できる方法を考えていきます。その結果、問題が多すぎたり、時間がかかり過ぎたり、力が不足していたり、その方では対処が難しい場合は、組織としては別の方にお願いしなければなりません。その場合、手を挙げた方に対しその理由を明確に伝えることが大事です。「相手を傷付けるのでは」と斟酌して曖昧にすることは、かえって手を挙げた勇気に対して失礼です、きちんと向き合って丁寧に説明しましょう。

できますと言ってみる

一方、立候補を求められた時、迷ったら「できる」と言ってみませんか。いい加減に聞こえるかもしれませんが、一歩前に踏み出さない限り何も生まれませんので、まずは「できる」と言って、その後考えながら進んではどうでしょうか。できると言ったとしても、もしできなければ速やかに周りに助けを求めるなり情報を共有してください、そうすれば皆さんは会社という組織に所属していますので、個人に責任を負わされることはありません。

やってみよう

何事も諦めたらそこで終わります、動き続けた者だけが何らかの成果を得ることができます。確かに、手を挙げることは恐怖であり勇気のいることですが、清水の舞台から飛び降りるつもりで思い切って「エイヤッ」と手を挙げると、その先には想像もしていなかった世界が待ち受けているかもしれません。そこに、あなたが熱い強い思いを持ち続けていればきっと何かが生まれるはずです。・・・

ダメダメではだめ

とこんなことを書きながら、年末に遊びに来た3歳の孫たちに対して、二言目には「ダメダメ」と言ってしまっている自分に気が付いたのは誠に情けないことでした。改めて、何事も「あかん」からは入るのは止めよう、と誓った元旦でした。・・・