青空と青い海、心おもむくまま

ご訪問ありがとうございます。このブログのきっかけは、もともと会社時代に社員の皆さんにお送りしていたレターでした。会社や人生の様々な悩みに対するヒントや、楽しく働くきっかけになればと書いていたものです。退職後も引き続き、日々の思いを書かせて頂いております。何か少しでも参考になれば幸いです。また、皆さんからご意見も頂ければ嬉しいので、よろしくお願い致します。

妬みと嫉みについて(2022/4号)

今月は春っぽくないテーマで申し訳ないのですが、妬み(ねたみ)や嫉み(そねみ)、いわゆる嫉妬(しっと)というものについて考えてみたいと思います。

ドロドロした嫉妬の気持ちは決して心地良いものではありませんが、人間誰しもが持っている喜怒哀楽の気持ちと一緒です。それが普通の人間だと思い、一体何に妬んでいるのか確かめたり、一旦時間を置くことで案外解決するものです。そもそも、他人と比較するより、一生懸命頑張っている自分をほめてあげてはいかがでしょうか。

嫉妬の気持ち

人間には、他人のことを羨ましく(うらやましく)思う自分を醜いとか、腹黒いとか、みっともないとか、恥ずかしいとか思う気持ちがありまして、それはなんとも不快で黒々とドロドロした気持ちです。キリスト教には七つの大罪の一つに「嫉妬」があるくらい、昔から人間の煩悩の一つです。「妬み」は「羨ましくて憎らしい」、「嫉み」は「羨ましくて悔しい」という違いがあるものの、これがひと括りに「嫉妬」となると、自分と他人を比べ、自分にないものを持っている他人が羨ましくて悔しくなり、また自分より楽をしているあの人がなぜ、と理不尽な怒りを覚えたりします。そして、自分は嫉妬する人間だから格下で、嫉妬される側は格上だ、なんていう序列を勝手に作り、それが劣等感となり、益々嫉妬が深くなっていく、といった負のスパイラルに陥る方もおります。

誰もが持っている気持ち

では、立派な地位にある人やお金がいっぱいある人、人生の経験をたくさん積んだ人たちにはそういう気持ちは起きないかというと、さにあらず、実は深い嫉妬心をこっそりとお持ちなのです。そもそも私たちは、自分と他人とを同等の人間同士なのだという前提で比べるため、得てして「なぜあの人が・・・」となります。

ですから、例えばワンコちゃんに対してはそういう気持ちは沸きません。

また、自分は頑張っている(と思っている)人や、嫌な事に耐えながらも頑張っている人ほど被害者意識が高まり、よけいに他人に対し嫉妬心が深くなります。・・・

喜怒哀楽と同じ気持ち

 果たして、こんな嫌な気持ちにならない方法はないものでしょうか。穢れ(けがれ)無き聖人のごとく清らかな心を持つことはできないものでしょうか。・・・何千年と人類はそうした思いを抱き続けてきましたが、残念ながら私たち凡人には未だその解決策が見出せておりません。そもそも人間には喜怒哀楽という感情があります。喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しい気持ちになった時、そういう自分を醜いとかみっともないと思う人は少ないと思います。実は、妬みや嫉みもそういった喜怒哀楽と同じ感情なのではないでしょうか。

それが普通の人間です

人間は良い時もあれば悪い時もあります。上手くいかない時に負の感情を抱く自分を、「それが普通の人間だ」と認めてあげれば気持ちが楽になります。ひょっとして、皆さんは妬みや嫉みは卑しい感情だから、そんな気持ちを持つ自分というものを他人に悟られたくないと、自分自身に蓋をして目を逸らし、周りから隠そうとしていませんか。「妬む」ということは「感情がある」ということですから、そういう気持ちになることを悪いことと思わず、「それが人間なんだから」と素直に事実として認めることから始めてはどうでしょうか。

自分は何に妬んでいるの

 そして次に、自分はいったい何に対して妬んでいるのだろう、と確認しましょう。人間は、無意識に何でも自分と他人を比較し序列化します。そして、気にしないと思えば思うほど逆に気になり、何やかんやとついつい気に病んでしまいます。でも、本当に自分にとって大事なことは何なのですか、自分にとって重要な価値とは何なのでしょうか。それがわかれば、それ以外のことは自分を脅かすものではない事がわかり、他人がいくら優れていようが心が乱れることがなくなります。そぞろ気になり、チラチラと見る必要もなくなります。ですから、簡単ではないかもしれませんが、自分が真に大事だと思うことをじんわりと急がず確認していってはいかがでしょうか。そうすれば、余計なことにいたずらに心を騒がされることが少なくなっていきます。

頑張っている自分をほめてあげる

 最後になりますが、自分自身も他人も刻一刻と変化していきます、ものの見方や考え方、取り巻く環境も、です。ですから、同じことでもほんの少し時間を置いてもう一度みてみると、大したことじゃなかった、なんてことがありますから、ほんの少しだけ待ってみませんか。また、そもそも私たちは、本当のところ他人のことなんて何もわかっていません、勝手にこうと思い込んで比較しているだけです。頑張っている自分と楽をしているように見える他人を比較して、どっちがどうだなんて誰にもわからないのです。そんなことを一生懸命に気にするより、頑張っている自分を褒めてあげてください、ホッと肩の力を抜いてあげてはいかがでしょうか。・・・